自爆! 電車音痴の福島交通軌道線 [昔鉄(60年代の国鉄・私鉄)]

あ゛ー、やってしまった。
 そろそろブログ更新しなきゃ、と写真を用意し、テキストを書きだしたものの、さっぱり先に進めず、行き詰まってた昨晩のこと。
 気分転換にと、敬愛するCedarさんのブログをROMするつもりでアクセスしてみると…おぉ。福島交通軌道線だ! しかも総天然色!!
http://cedarben.blog.so-net.ne.jp/2012-08-08

 あまりに素晴らしい写真にうっとりし、自分が昔訪れた福島交通軌道線の姿を思い浮かべていたんです。
 季節もちょうど今頃だったし…ね。
 で、よせばいいのに、Cedarさんのブログに、コメントしてしまったわけです。「実は私も昔、ここいらに行ったことがありまっせ」なんてね。しかも、写真を撮ってることまで書いてしまった…よせばいいのにねぇ。
 そしたらCedarさんが、→その写真、ぜひUpしてください、とコメ辺を返して下さった。

 ちょちょ…ちょっと待って下さい。
 私が書いたコメントは、「父の運転するクルマで、湯野線の電車とすれ違ったことがあります。振り向きざま撮った手元にある写真は、クルマの巻き上げる砂埃と、凸凹道の振動でブレブレ…。」
 ホントにブレブレなんですってば! 
 いや、もうこのブログを初めて以來、幾度と無く思い知らされてきたオノレが「電車音痴」っぷり。Cedarさんをはじめ、60年代当時の地方私鉄や電車にお詳しく、素晴らしい写真を残されている方が、綺羅星のごとくいらっしゃるブログワールド。こと、このジャンルでは私なんぞが出る幕はないことは、わかってるはずなのに…。
 でもねぇ…写真を撮ってる、って言っちゃった手前、しかも敬愛するCedarさんに「ぜひUpしてください」と言われちゃった手前、知らんぷりはできませんよねぇ…。えぇ、出します。出しますとも。
 この写真です。
01.jpg

 
 おー、恥ずかしい。

 えー、一応説明しておきますと、時は昭和40年(1965年)。日にちはたぶん8月4日。
 父の運転する車で、朝、飯坂温泉をたち、仙台へ向かう途中の1カットです。電車はたぶん、長岡分岐点から飯坂・湯野町へ向かう電車。形式は…すいません、なんにもわからないんです。

 このとき私は中学3年生の夏休み。詳しい説明は省きますが、この少し前、新車(日野コンテッサ1300)を手に入れた父は、おごそかに「夏休みに東北一周旅行をするぞ」と宣言したわけです。当時のことをご存じの方なら「クルマで東北一周ぅ~」と呆れられることでしょう。私としても、今から思えば、ビンボー(事実!)だった我が家に、新車があって、それに乗って一家で東北一周旅行をしたなんて不思議でならない。
 この旅のことはいずれ記事にする機会もあるでしょうが、とりあえず今は「カネがないくせに道楽者」だった父の所為、ということにしておきます。
 前日の3日に市川を出発、その日は郡山から磐梯、五色沼などを巡りまして、飯坂温泉に宿泊…といっても、教員をしていた母が取った共済組合の宿舎なんですが…その日は盛岡まで走りました。
 で、その時撮影した写真はこれだけなのですが、ぐるっと青森、秋田と回りまして、4日後の8月8日には再び福島に戻ってきたんです。
 前日泊は天童だったので、時間に比較的余裕があり、私のリクエストで一度福島駅前に出て、軌道線に沿って長岡分岐点、そして飯坂に向かう、というルートを取ったのだと思います。

 この写真は長岡分岐点までの途中、並走していた軌道線の電車…ではなく、実は同じ年の3月に、やはり父の運転する車で仙台に行った時のものです。
02_2000形と併走.jpg


 福島の市街地を抜けると、長岡分岐点近くまでは専用軌道だったんですね。
 同じ電車を橋の上で。この川は摺上川?
03問題の橋.jpg


 さて、こちらは本題の8月のこと。この時は並走する電車はいませんでしたが、記憶にある摺上川の橋。なにげなくカメラを向けると…あれっ、軌道線の橋が落ちてしまっている!?
03橋が落ちてる.jpg


 長岡分岐点にやってきました。保原-福島の方向板を掲げた電車の隣に停まっているバス。
05電車代行バス.jpg


 よくみると、方向幕に「電車代行」と書かれている。
05-01電車代行方向幕.jpg


 どうやらこの夏、福島交通軌道線は、駅前から長岡分岐点への途中で鉄橋が崩落、バスによる代行運転が行われていたようなのです。

 とはいえ、長岡分岐点から先、各方向へ向かう路線は健在だったようで、短い滞在時間なのに、何台かの電車を見ることができました。

 掛田行きの1114号。アーチを描いた三枚窓の前面がカッコいい! 軌道線の特徴だった救助網も、ほかの電車に較べると大きく堂々とした感じです。
06掛田行1114号.jpg


 1114号と並んだ、電車代行バス。一般車両はどこを通ればいい? ってくらい、狭い道を電車とバスが占拠しています(笑)。
07_1114と代行バス.jpg


 真ん中の窓が大きく上方に広がっているタイプの1118号。ちっぽけな方向幕には「保原」行きと掲示してあります。
08_1118保原行き.jpg


 デルタ形の線形だった分岐点。電車に連なる手前の二軸貨車にはワフ7の標記。奥のボギー貨車は、Cedarさんのブログにちゃんとした写真が掲載されています。車番はホワ10。
09ワフ7+ホワ10.jpg


 ワフ7と連なっていた電車は1117号。東北本線と接続する「伊達」行きの電車のようです。
10ワフ+1117.jpg


 最後は飯坂・湯野町駅での長岡行き電車。やはり真ん中の窓が上方に大きく拡大されていますが、ノーシル・ノーヘッダーの近代的な車体。
湯野町駅.jpg


 軌道線の電車は、みんな妻面に大きくナンバーが書かれている、と思ったら、この電車にはそれがありません。
 こうなると、電車音痴にはまったくお手上げで…。お詳しい方にフォローなどいただければ幸いです。

 以上、Cedarさんの尻馬に乗っかり、真夏の福島交通軌道線お蔵出しさせていただきました。


 
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maipenrai

燕っ子さん
シュウチャンさん
xml_xslさん
あるまーきさん
ひもブレーキさん
 niceありがとうございます。
by maipenrai (2012-08-10 18:38) 

Cedar

出ましたね~
>ホントにブレブレなんですってば!
なんのなんの、今までに恥ずかしい写真(=こういう言い方って、昔の怪しげな広告によくあった)を臆面も無く公開してきた私の基準からすれば、立派なものです。
長岡分岐点のお写真なども垂涎ものです。軌道線代行バスの姿など貴重ですね~。
この調子ならまだまだお宝写真が隠されていそうな気配濃厚・・・ 

by Cedar (2012-08-11 16:43) 

maipenrai

Cedarさん
 あの時代は、東北本線が集中豪雨で何日も普通になり、特急が横黒線経由で走ったり、いろんなことがありました。
>この調子ならまだまだ
 いえいえ、国鉄蒸機はともかく電車、しかも地方私鉄や軌道線となると、まったくもってお寒い限りであります。
 でも…お陰様で中途半端にちょっこっと撮っていた福島交通の写真に、陽の目を見させることができました。感謝いたします。

モボさん
フジトモさん
プントさん
 niceありがとうございます。
by maipenrai (2012-08-11 21:45) 

テリー

はじめまして。突然失礼致します。
福島交通軌道線から辿り着きました。
僕自身は福島交通軌道線を知らぬ世代ですが、昔はこんなに情緒のある風景だったかと思うと感慨深いものがあります。
もし廃止にせず、一部分でも残っていたならば、今頃は良い観光資源になっていた事と思います。
実は現在、個人的に福島交通軌道線のジオラマを製作しておりまして、そのジオラマの背景または傍に福島交通軌道線の写真を添えたいと考えております。
印刷してアナログ的に添えるか、電子のままスライドにするかは悩んでおりますが、その際に貴殿のブログから写真を数枚使用させて頂けないでしょうか?
突然の申し入れで大変恐縮ですが、ご検討の程よろしくお願い致します。
by テリー (2016-05-10 19:39) 

maipenrai

テリー様
 写真はご自由にお使いになって結構です。
 ジオラマ完成のあかつきには、ぜひ拝見させていただきたいですね。
 よろしくお願いします。
by maipenrai (2016-05-10 20:59) 

テリー

もう半年近く前の5月10日の事になりますが、この掲示板でブログ掲載写真使用に関して使用許可を頂いた者です。
その節は快諾頂きましてありがとうございました。
ようやく福島交通軌道線をイメージしたジオラマが完成致しましたのでご紹介させて頂きます。

僕は鉄道模型専門ではないので実に5ケ月以上も費やしてしまいました。
製作記と共に掲載しておりますのでよろしければご覧ください。

WhiteDog工房
http://white2dog.exblog.jp

※右側メニューのカテゴリ「福島交通軌道線」で製作記がご覧頂けます。

貴殿にご提供頂いた写真はジオラマに埋め込んであります液晶モニターで
スライドショーとして表示する様に致しました。
(その記事は次回掲載する予定でございます。)

先日、実家の両親や親戚にお披露目したところ懐かしく見入っており、大好評でございました。
改めましてご協力ありがとうございました!
by テリー (2016-10-09 22:18) 

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