1998年2月香港・北角から九龍城へ [番外]

 北回帰線を超えた亜熱帯だというのに、やたらと肌寒かった1998年冬の香港。確かこのときは登山電車・ピークトラムに乗ってビクトリアピークに登ったあと、山麓駅から金鐘の電車通りに出て二階建ての路面電車・トラムで香港島東側の「北角」に向かったんだっけ。
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 「北角」、電車の方向幕には「North Point」と欧文表記されている。香港島が対岸の九龍をへだてるビクトリア湾に向かってちょっとせり出している、その先端にあたる下町ムードあふれた賑やかな街です。
 北角にやってきました。実はこのときは家内と息子二人、さらに七十代も半ばを超えた母も同伴の家族旅行。私も含め、健康優良児家族。家内がいちばんふくよかだった頃…(ブログに写真を出したのを知られたら絞め殺されるナ)
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 後ろに停まっているのは、二階席が一部オープンになった観光用の電車です。

 この街の名物といえば…もうすっかり有名ですね。世界三大鉄道「カキワケ(©Cedarさん)」のひとつ(もちろん一位はタイ国鉄メークロン駅…もうひとつは? というツッコミはナシで…)、春秧街を走る二階建てトラムです。
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 以前にも書きましたが、香港トラムの線路は終点で方向を変えることなく、ループ線を描いてもと来た方向に戻るような線形になっています。ここ北角でも、西からやってきた電車は、終点の北角の手前で本線から離れて左に折れ、すぐに右に曲がって本線の一本北側の道を並行して走ります。ここが春秧街で、商店や露店がびっしり立ち並び、人通りの多い裏道を単線で二百メートルほど走った電車、やがて突き当たりを右に曲がったところが北角の終点で、電車はそのままもう一度右折して、本線と合流、もときた方向に戻っていく、というわけです。

 その春秧街、見ての通り両側は十階建てほどの住居ビルが立ち並び、一階は商店ですが、その前にズラリと露天が並び、さらにクルマが駐車していて、人が歩けるスペースは線路上だけ、というわけで、この路地に入った電車は最徐行で人をかきわけかきわけ進む、というなかなかスリリングな光景が見られます。

 電車の二階から見下ろすと、こんな感じ…。
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 う~ん、ちょっと「カキワケ」感が乏しいかな? じゃ、もう一枚。
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 こんな具合に香港トラムの名所のひとつに数えられていた春秧街ですが、先日の私のブログ
http://c59176.blog.so-net.ne.jp/archive/20110618
 にいただいた、lineさんのコメントによれば「数年から線路脇の出店が排除されてしまったようで、以前の混沌状態が見られなくなった」とのこと。なんとも残念です。

 電車の車掌さんの表情がniceだったので…。
07車掌さん.jpg


 北角の街は、アメ横的、というのか、香港はどこでもアメ横的だし…いやむしろアメ横が香港的というべきか…乾物屋さんの多い街でした。
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 乾物屋さんの店頭。しいたけ、貝柱、鮑、スルメ…「日本産」の文字が目立ちます。
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 そしてどこでも見られる「食の街・香港」風景。
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 こんな町並みを抜けて少し歩いたところにある北角のバスターミナル。周囲を住居ビルに囲まれ、右側に見える高速道路(東區走廊)をくぐるとその先には海が広がり、対岸の九龍サイドを結ぶフェリーのターミナルがあります。
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 食べ物の匂いや人々のの熱気にあてられたのか、次男坊、ここでダウン。
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 フェリーで夕暮れのビクトリア湾をを渡ります。香港のフェリーといえばスターフェリーがあまりにも有名ですが、他にも香港島と九龍を結ぶフェリーはいくつもあります。あんまり観光客は利用しないんだろうな。船も船体が黒く、地味な印象。当時はHKF、いまはNWFというらしい。
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 このフェリーは北角と、九龍サイドの九龍城碼頭を結んでいます。この航路に並行するように、北側から南に向かって海に一直線に突き出していたのが、いまはなき啓徳空港の滑走路。
 ちょうど滑走路を離陸した中華航空のボーイング747-200が夕陽を浴びながら上昇していきます。
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 着いたところは九龍城碼頭。ここは海を隔てて啓徳空港の滑走路の着地ゾーンの至近です。青い顔した次男坊を、家内と母に託してタクシーに押しこみホテルを指示して…あとは長男坊と二人、しばし夕暮れのヒコーキ見物。
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 香港の啓徳空港といえば、香港カーブと言われたアクロバチックな着陸シーンがあまりにも有名ですが、海に突き出た滑走路もなかなかのもの。滑走路のその先は海ですから、ときどき着陸したヒコーキが滑走路上で止まりきれずに海に突っ込んだり(一回だけだって!)、見ようによってはヒコーキが海の上を滑走しているようにも見えます。

尾翼がやたらにでっかく見えるカンタス航空のB747SP。
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地元の貨物航空会社、エアーホンコンのB747-200F。
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中国東方航空のMD11。
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中国南方航空の、B777…かな?
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中国西北航空のエアバスA310。
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中国西南航空のB737。
21中国西南B737.jpg


関空でもおなじみ、ロイヤルネパール航空のB757。
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 電車、船、ヒコーキ…陸と海と空を短時間で堪能するという、乗り物好きには至福の時間を過ごしてホテルに戻ると、次男坊は既にケロっとしていて、夕飯に連れだすと旺盛な食欲を示しておりました。

 この年の夏、新しい空港が香港に誕生し、世界でも珍しい大都会のど真ん中にあった啓徳空港は廃港となりました。
 明日7月5日は啓徳空港最後の日から、ちょうど13年目にあたります。

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nexus6

ヒコーキ登場!! \(^O^)/
by nexus6 (2011-07-05 05:30) 

Cedar

又も出ました香港ネタ!視点がいいなあ。春映街には痺れました~3年前にもお写真の感じでしたよ。(実は20年位前、仕事で行った事があってその時はまさにカオスでした。)
カイタック空港は残念ながら1回だけ(入出国が)で、新空港にかわってしまいました。
最近気になってるカキワケは①ベトナム・ハノイ②エジプト・アレキサンドリア、です。どちらもいく予定は無いですが・・・
by Cedar (2011-07-05 14:45) 

maipenrai

nexus6さん
 「鉄ちゃん」を名乗りながらヒコーキを出してくるのは反則ですね(・・;)
鉄ブログとヒコーキブログをきちんと分けてるnexus6さんの潔さを見習え!ってもんです。

Cedarさん
ハノイ
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/13/58fe8516e8b0e63833532b3bf4ea55c3.jpg

アレキサンドリア
http://img.4travel.jp/img/tcs/t/album/lrg/10/14/33/lrg_10143398.jpg?20090630012737
 でしょうか。
 ハノイは列車の走ってるところを見たいなぁ。世界三大、とまではいかなくても、「アジア三大カキワケ」には登録決定?

フジトモさん
hanamuraさん
ほりけんさん
よしくんさん
 niceありがとうございます。
by maipenrai (2011-07-05 19:12) 

maipenrai

gardenwalkerさん
燕っ子さん
銀狼さん
あおたけさん
 niceありがとうございます。
by maipenrai (2011-07-06 20:06) 

line

コラボネタで春映街を記事にして見ました。お暇な時にでも覗いて頂ければと思っております。
1993年に行った時には、かなり整理されてしまいスリリングな景色も見納めとなったようです。それでも、また少しずつ張り出しては来てるような気もしますけど。
カキワケで見てみたいのはインド、コルカタとか凄そうです。

by line (2011-07-07 19:08) 

家祺

Very nice!
by 家祺 (2016-02-01 20:47) 

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