昭和の小坊の幸せな休日~上野駅編 [昔鉄(フジペットシリーズ)]

また後日、などと書いてほっぽらかしにしていた小学生時代の写真、今回は上野駅編です。
 前回の東京駅編
http://c59176.blog.so-net.ne.jp/2011-02-04
 は結果的に昭和36年白紙改正当時の東京駅での写真でしたが、今回は一年その8ヶ月後、昭和37年(1962年)6月ダイヤ改正当時の上野駅の情景…だと思います、たぶん。。
 37年6月改正での一番のトピックは、上越線経由上野-新潟に電車特急とき(朱鷺)が誕生したことでしょう。電車特急といえば東海道線こだま、つばめなどに使用されていた151系、それに抑速ブレーキ&耐寒装備を付け加えた161系がデビューした年であります。
 で、やっぱり見に行っちゃってますね、ミーハー小学生。
 ゴールデンウィークのさなか、5月3日に起きた三河島事故の記憶も生々しい6月10日日曜日、新潟を朝8時30分に出発した161系9両編成の「とき」は、昼下がりの13時10分、上野駅高架6番線に到着しました。
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見た目は151系と変わらないものの、新系列を主張するボンネットを取り巻く鉢巻。ヘッドマークに併記された漢字の「朱鷺」が印象的でした。
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 ときが到着するこの時間、隣の7番線には常磐線回り青森行き特急「はつかり」が発車を待っています。のちに「ブルドッグ」なんて呼ばれたキハ81,当時の小学生は「獅子舞の獅子」みたいな顔だなぁ…と思っていたんですが、いかがでしょうか?
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 ともあれ、昼下がりの上野駅高架ホームでは、電車特急と気動車特急の並びが毎日実現していたんですね。因みに下り「とき」の上野発は16時過ぎ。いったん所属の田町に回送する必要性から、高架ホームに発着していたため、こんな並びが成立したんだろうと思います。
 上野駅を発車する特急は、他には朝8時の「白鳥」。これは信越線回りで横軽のアプトを超え、直江津で青森からの「白鳥」を併結して大阪に向かうという上野発北陸線回り大阪行、今から思えばとんでもない運転区間の特急です。ところで左側に写ってるスカ型70系電車が気になるんですが…。
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 また昼過ぎには奥羽線回り秋田行の「つばさ」が発車します。これは秋田に着くとほぼ同着で大阪からの青森行き「白鳥」と接続するという、まぁ列車本数が乏しい割に、実に考えぬかれた特急ネットワークが形成されたいたのですね。いずれも前年36年10月改正から運転開始されています。
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 さて、37年の10月のダイヤ改正では、東北線回りで上野-仙台間に電車急行「みやぎの」が運転を始めています。勝田電車区に配置された新鋭451系電車を使用したもので、早朝勝田から上野まで回送、上野発7時45分で仙台を往復、夜9時過ぎに上野に帰ってきて、すぐ常磐線の415Mときわ8号として日立まで運行、勝田に戻るというハードな運用だったようです。
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フジペットの写真があまりにも汚いので、少し後に撮った写真も御覧いただきます。楷書体のHM,水カツの所属表記はそのままですが、車両のドアが通常のタイプです。451系の初期型は外吊りのドアでしたね。
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 同じ頃の地平ホーム。これも写真汚いなぁ。急行型DCですが、信越線長電に乗り入れていたキハ57系「志賀」かなぁ。小学生の「顔写真」だけではではなんの証拠も残りませんね。
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 高崎線、東北線筋の一般電車の主力は湘南80系でした。3両目までは全金属300番代で揃った編成。
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 東京駅にはないけど、上野駅では見られたもの。それが蒸気機関車です。成田線筋のC57、C58はご承知のとおり遅くまで残るんですが、常盤筋に残っていた客レを牽くC62。私が上野で撮った唯一のカットです。昭和36.37年のどこかで撮ったことには違いないのですが、さて、いつ撮った写真なのか? 
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36年には既に勝田までは電化が完了しており、一部残ったSL運用も37年の高萩電化時点で、上野-水戸間はすべてEF80に置き換え完了、と記憶しているんですが…。このC6210は仙台に配転された後、再会しているんですが、常盤のC62の中では早くに廃車になってしまったカマですね…。
 なんてことは、もう少し後、常磐線北部から東北の大型蒸機に夢中になりだしてからの話です。
 昭和36,37年の小坊は、親にねだったフジペット片手に東京駅、上野駅を行ったり来たりの日曜日、実車に飽きれば万世橋にあった交通博物館に行って3階のホールで映画を見たり(「ある機関助士」なんども見ました)、図書館で鉄雑誌を読みふけったり…、う~ん、やっぱり幸せな時代だったと思います。
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Cedar

う~ん、懐かしくって涙ですねえ。同じ頃の私は家の近くの田端・尾久界隈でこれらの汽車電車を父親と一緒に眺めたり、同じくフジペットで撮影したりしていました。
出不精で引っ込み思案な性格(これは今も変わらず・・)なので、上野まで行ってもホームでは撮らず、両大師橋の上から、出入りする列車を眺めていたのでした。
by Cedar (2011-02-14 01:16) 

manamana

あと10年早く生まれてたら、
一緒に同じ光景を写真に撮ることが出来たかもしれません。
三河島事故と同時代なんですね。
普通の人は急行を利用し、
特急が憧れで光り輝いていた時代ですね。
by manamana (2011-02-14 06:28) 

maipenrai

Cedarさん
 跨線橋の上からお父君と通り過ぎる列車を眺める…まさに「三丁目の夕日」のような光景ですね。いいなぁ。
 子供の頃あれだけ図々しくチョロチョロ動き回っていた割には、今は駅でカメラを取り出すのも恥ずかしい私だったりします。

manamanaさん
 しょっちゅう大規模なダイヤ改正があって新しい列車が走り出す華やかさがあった反面、大きな事故も多発していた時代ですね。そういえば、先日同窓会で中学の恩師と話したのですが、青森・七戸出身の恩師は、当時急行にも乗らず鈍行で里帰りしていたと言ってました(それがいまや新幹線で…という話なんですが)。
by maipenrai (2011-02-14 17:22) 

む〜さん

上野駅、華の時代ですね。蒸気機関車、気動車、電気機関車、そして電車、何でもアリの博物館状態でした。懐かしい気持ちで拝見しました。
拙HPに、1960年の上野駅の写真がありますので、ご覧下さい。
http://11.pro.tok2.com/~mu3rail/link018.html
by む〜さん (2011-02-14 22:55) 

maipenrai

む〜さん
 改めてHP拝見しました。やはり素晴らしすぎます。事故で早世したC6221や尾久(田端)区に最後まで残っていたC5771、「おいらせ」のダブルルーフ寝台etc…、私の記事のわずか二年前の光景とは思えない、まさに「神話時代」です。
by maipenrai (2011-02-15 10:55) 

素人写真

今回も楽しませていただきました。
キハ82の前面は、キハ181より柔らかい感じがして好きな形状でした。
キハ81のはつかり。登場した頃のはつかりは、「はつかり、がっかり、事故ばっかり」と揶揄されましたが、前回と今回の写真を見ていると、地元の方々がボンネット型の気動車を切望した気持ちがよくわかります。
私もこの当時の写真を結構持っていたのですが、訳があって、全てあげてしまいました。今思えば残念です。
by 素人写真 (2011-02-15 22:37) 

あおたけ

「とき」「はつかり」「白鳥」「みやぎの」・・・そしてシロクニ!
上野駅がいちばん活気づいていた頃のお写真ですね。
どれも貴重なお宝写真なのですが、地平ホームに停車中の80系が
いちばん上野駅らしくて好きです。
by あおたけ (2011-02-16 09:16) 

maipenrai

素人写真さん
 キハ81のデザインは傍系、類型のない独自なもので、発電機の処理とかを考えるとやっぱり過渡的なものだったんでしょうね。でもボンネットタイプ信仰?はついこの間まで(未だに?)残ってますね。お写真の件、拝見したかったです。

あおたけさん
 あの頃の高シマの80系編成には、上野寄りにクハ47を繋いだりしていたものもあって、もっとよく撮っておきたかった…その当時地味に思えた存在ほど、振り返ってみると懐かしい、というのはなんなんでしょうか?
by maipenrai (2011-02-16 23:25) 

hanamura

昭和の小坊の幸せな休日シリーズいいですね。
by hanamura (2011-05-28 14:10) 

BSフジ「鉄道伝説」制作会社でございます

初めてご連絡致します、
BSフジにて「鉄道伝説」という番組を制作しておりますサリーシンプソン合資会社の砂崎と申します。
コメントでからのご連絡失礼致します。

こちらのブログに掲載されておりますお写真の番組使用についてのご相談をさせて頂きたくご連絡致しました。

該当ページ
https://c59176.blog.ss-blog.jp/2011-02-13

詳細をお送りさせて頂きたく、
お手数をおかけ致しまして恐縮ではございますが、
差し支えないようでしたら、以下の宛先まで一度ご連絡頂けますと幸いでございます。
何卒宜しくお願いいたします。

erikasunazaki0918@gmail.com
サリーシンプソン合資会社
砂崎愛梨香


番組HP https://www.bsfuji.tv/tetsudo_densetsu/


by BSフジ「鉄道伝説」制作会社でございます (2022-05-02 14:15) 

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